「上海天然ゴム先物」取引開始

2025-06-16

 大阪取引所(OSE)は25日、新商品として上海天然ゴム先物を上場した。上海先物取引所(SHFE)に上場している天然ゴム先物の価格を対象に受渡しを伴わない現金決済型の先物取引となる。初日の出来高は322枚(取引金額4億5,900万円)だった。
 上海天然ゴム先物の取引開始により、内外のゴム当業者が中国が保有する天然ゴムの価格変動に対するヘッジを可能とするほか、日中両市場における天然ゴムの価格差に対する裁定取引を通じゴム先物の流動性向上を図る。
 同日は大阪で上場記念のセレモニーが行われ、両取引所のトップが以下のコメントを発表した。


上海先物取引所 魯東昇CEO(写真下段左から5人目)

 SHFEとOSEのこの協力は、中国の先物市場の開放に向けて踏み出す具体的な一歩となりました。「上海天然ゴム先物」の価格は、世界中のゴム産業に従事される方に新たなリスク管理の手法を提供することとなりました。先物市場が実体経済へさらに貢献できるよう、努めて参ります。

大阪取引所 横山隆介社長(写真下段右から5人目)

 上海天然ゴム先物の歴史的な上場は、上海先物取引所との長年の友好関係が結実したもので、とても喜ばしく思っています。
 日本は世界第6位の天然ゴム消費国で、世界に先駆けて1952年から先物取引を開始し、RSSの国際標としての地位を築いてきました。一方、中国のゴム先物市場は、実体経済の目覚ましい発展と歩調を合わせて大きく成長し、世界最大の流動性を誇る市場として、多くの市場関係者に注目されております。今回の上場は、投資家に上海ゴム先物市場への新たなアクセス手段を提供するだけでなく、裁定取引などを通じた世界の天然ゴム先物価格の安定につながるものと信じております。
 また、上海市と大阪市は友好都市提携をしておりますが、この商品の上場が、両都市の更なる関係の強化のみならず、大阪府・大阪市における国際化の進展にも寄与するものと考えております。

(Futures Tribune 2025年5月27日発行・第3362号掲載)
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