
国内商先業者2026年3月期決算11社中増収8社・最終黒字10社
2026-09-25合計委託者数1万9,607人、外務員数は877人
日本商品先物取引協会の会員39社のうち、ディスクロージャー対象会員(個人投資家向けビジネスが主力)について、2026年3月期(令和8年3月期)における商品先物取引業者11社の決算開示情報が出揃った(ただし期間中に国内商品先物市場における業務実績がある業者に限る)。前回は11社中5社が増収、8社が最終黒字だったが、今回は受託業者8社、取次業者3社の11社を集計した結果、増収は8社、最終黒字は10社となり、金価格の高騰と高いボラティリティを追い風に業界の収益は大きく改善した。
表は各社ともに上段が2026年3月期、中段が2025年3月期、下段が2024年3月期の数字で、受取手数料、トレーディング損益(自己売買)、預り証拠金については、各社の発表をそのまま記載した。だが預り証拠金の項目については、他の取扱い金融商品を含め一括で掲載している会員もある。
11社合計の営業収益は405億7,300万円(前年比34.1%増)、受取手数料は319億200万円(同23.8%増)で、経常利益と当期利益の合計はともに前年の約2.6倍に膨らんだ。 牽引役は豊トラスティ証券で、営業収益129億4,700万円(同68.4%増)、当期利益44億500万円はいずれも11社中で最大。自己売買主体の北辰物産はトレーディング損益49億1,800万円を.計上して営業収益が54億1,500万円と前年の2倍超に拡大し、経常利益43億1,100万円で豊トラスティ証券に次いだ。岡地も営業収益23億1,700万円(同64.9%増)と大きく伸ばし、前期に最終赤字だった岡安商事とコムテックスはそろって黒字に転換した。
預り証拠金の11社合計は5,500億5,700万円と前年の2.05倍に膨らんだ。金価格の上昇で必要証拠金と代用有価証券の評価額が押し上げられたためで、豊トラスティ証券の2,240億3,400万円、日産証券の1,533億3,300万円はそれぞれ前年の2.5倍、1.8倍となった。
商品先物委託者数(口座数)でみると、北辰物産の5,617人が日産証券の5,435人を上回って最多となり、次いでフジトミ証券の2,093人、豊トラスティ証券の1,992人と続く。クリエイトジャパン(76人増)やコムテックス(41人増)など増加した社もあるが、サンワード証券の553人減、日産証券の311人減が響き、11社合計では1万9,607人(前年比927人減)と2万人の大台を割り込んだ。業績が急回復する一方で、個人投資家の裾野は縮小が続いている。
外務員をもっとも抱えているのは豊トラスティ証券の287人で、次いで日産証券の117人、サンワード証券の102人と続く。前回まで100人台だった岡安商事は93人に減り、100人以上の営業体制を保持するのは3社となった。11社合計では877人(同38人減)と減少し、4年前に日商協の統計開始以来初めて1,000人を割り込んで以降、3桁水準が続いている。
なお堂島取引所を対象に市場参入したSBI証券は、現状において日本取引所グループ(JPX)での商品先物取引がなく、当該年度の商品先物の受取手数料が1,789万円と軽微であるため、今回も統計から外した。ただ同社の商品先物委託者数は2万4,325人と前年の1万7,345人から約7,000人増え、11社合計の1万9,607人を上回った。
売買高は約251万枚(前年約270万枚)で、店頭商品CFDの顧客数は3万1,538人に上る。
また大手ネット証券では楽天証券も大阪取引所で一定規模の取引があるが、個人投資家からの委託がないため開示義務から外れている。
参考PDF:受託・取次別商品取引業者決算概要
(Futures Tribune 2026年9月8日発行・第3454号掲載)
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